リモートデスクトップでの操作

 リモートデスクトップ画面の操作は、基本的にローカルのマシンを操作するのと変わりがない。ネットワーク経由でデータを転送しているので、ネットワークの帯域幅によってレスポンスに違いがあるが、LAN内での利用ならばそれほど問題にはならないだろう。

ただし、ソフトウェアにより仮想的な画面に描画しているため、ビデオカードの持つハードウェア2D/3Dアクセラレーション機能が利用できない。そのため、OpenGLDirectXDVD再生などは、極端に遅くなったり、ほとんど利用できない場合がある。一方、普通のオフィスアプリケーションなどでは問題なく利用できる。

Administratorとしてリモートデスクトップにログオンすれば、コントロールパネルなどの各種設定やレジストリの編集など、通常はネットワーク経由では困難な操作でも、まったくローカルにログオンしたのと同じように操作できるので、システム管理者にとって、これほど強い味方はないだろう。

 

●リモートデスクトップで利用できるショートカットキー

 画面15 [Windowsの組み合わせキーの適用先] オプションで [ローカル コンピュータ] を選択した場合や、[全画面表示モードのみ] を選択してリモートPC画面をウィンドウ表示している場合は、Windowsの通常のショートカットキーはローカルPCマシンに対する指示になるため、リモートデスクトップのウィンドウでだけ機能する特別なショートカットキーが用意されている。表1にリモートデスクトップで利用できるショートカットキーを示すので、大いに活用して欲しい。

 

表1 リモートデスクトップで利用できるショートカットキー

ショートカットキー

   

AltPageUp

プログラムを左から右に切り替える

AltPageDown

プログラムを右から左に切り替える

AltInsert

起動した順にプログラムを切り替える

CtrlAltBreak

ウィンドウ表示と全画面表示を切り替える

CtrlAltEnd

Windowsのセキュリティダイアログボックスまたはタスクマネージャを表示する

AltHome

[スタート] メニューを表示する

AltDelete

アクティブウィンドウのコントロールメニューを表示する

CtrlAlt+テンキーの[+]

クライアントのアクティブウィンドウのスナップショットをクリップボードにコピーする

CtrlAlt+テンキーの[−]

リモートデスクトップのスナップショットをクリップボードにコピーする

 

ユーザー切り替えの動作について

リモートデスクトップでは、Windows XP Professionalマシンを同時に使用できるのは、コンソールにローカルにログオンするか、リモート接続した1人のユーザーだけに限られる。このため、ローカルにログオンしているユーザーがいる状態でリモートデスクトップ接続を行おうとした場合や、リモートデスクトップ接続中に別のユーザーがローカルログオンしようとした場合、あるいは、リモートデスクトップ接続中に別のユーザーがリモートデスクトップ接続をしようとした場合などに、リモートデスクトップ接続やローカルログオンが拒否されたり、利用中のリモートデスクトップあるいはローカルログオンが強制的に停止させられたりする場合がある。

この動作は、リモートPCの「ユーザーの簡易切り替え」機能が有効になっている場合と、無効になっている場合とで違った結果になる。

 

●「ユーザーの簡易切り替え」機能が有効な場合

 リモートPCに誰もログオンしていないか、リモートデスクトップで接続しようとしているユーザーがログオンしている場合は、すぐにリモートPCのデスクトップがローカルPC画面に表示される。

リモートデスクトップで接続しようとしているユーザー以外のユーザーがリモートPCにログオンしている場合は、「クライアント側の設定」の操作手順9〜11のように、ローカルPC、リモートPC両者にメッセージが表示され、[はい] を選択するか何もしないと、数秒後に強制的にそれまでのユーザーが停止させられ、新しいユーザーのログオンが成立する。

 この動作は、すでにリモートデスクトップ接続が確立しているときに、ローカルでログオンしようとした場合も同じだ。また、ユーザーアカウントの権限は関係しない。

 

 ●「ユーザーの簡易切り替え」機能が無効な場合

1) リモートPCに誰もログオンしていないか、リモートデスクトップで接続しようとしているユーザーがログオンしている場合は、すぐにリモートPCのデスクトップがローカルPC画面に表示される点は同じだ。

2) 誰かがローカルにログオンしているときに、同じユーザーまたはAdministratorsグループ以外のユーザーが接続しようとすると、画面25のエラーメッセージが表示され、リモートデスクトップ接続が拒否される。

画面25 リモートPCに誰かがログオンしていると、同じユーザーまたはAdministratorsグループのメンバー以外ではリモートデスクトップ接続ができない

 

3) 誰かがローカルにログオンしているときに、Administratorsグループのメンバーがリモートデスクトップ接続しようとすると、画面26のメッセージが表示され、[はい] を選択すれば、リモートデスクトップ接続を確立できる。このとき、リモートPCには警告は表示されず、ローカルにログオンしていたユーザーは強制的にログオフさせられ、作成中のデータが失われるので注意して欲しい。

画面26 リモートPCに誰かがログオンしているときに、Administratorsグループのメンバーがリモートデスクトップ接続すると、警告のメッセージが表示される

 

 これらの動作は、すでにリモートデスクトップ接続が確立しているときに、ローカルでログオンしようとした場合も同じだ。