リモートデスクトップを使うための設定

●サーバー側の設定

 リモートデスクトップを利用するために、リモートPC側で行う作業としては、リモートデスクトップ接続を許可し、さらにリモートデスクトップ接続を受け入れるユーザーを選択しておく。

1.          [スタート] メニューから [マイ コンピュータ] を右クリックして [プロパティ] をクリックする。

画面4 [スタート] メニューから [マイ コンピュータ] を右クリックして [プロパティ] をクリックする

 

2.         [システムのプロパティ] [リモート] タブをクリックし、[リモート デスクトップ] [このコンピュータにユーザーがリモートで接続することを許可する] にチェックを付ける。

画面5 [システムのプロパティ] − [リモート] タブで [このコンピュータにユーザーがリモートで接続することを許可する] をチェックする

 

3.         [リモート セッション] ダイアログで [OK] をクリックする。これで他のマシンからのリモートデスクトップ接続を受け入れる準備ができた。

画面6 メッセージが表示されるので [OK] をクリックする

 

4.         次に [リモート ユーザーの選択] ボタンをクリックする。
リモートデスクトップ接続を受け入れるユーザーが表示される。ここにユーザーを追加する場合は、[追加] をクリックしてユーザー選択画面から選択する。
Windows XP
に登録されていないユーザーは追加できないので、その場合は先に [コントロール パネル] [ユーザー アカウント] でユーザーを登録しておく。
また、リモートデスクトップを利用するためには、利用するアカウントにパスワードが設定されていなければならない。パスワードが設定されていないアカウントで接続しようとしても拒否されてしまうので、あらかじめ [コントロール パネル] [ユーザー アカウント] で接続したいアカウントにパスワードを設定しておく。
ここで登録されたユーザーはRemote Desktop Usersグループに属することになる。なお、Administratorsグループのメンバー (管理者ユーザー) は、ここに表示されていなくても常にリモートデスクトップ接続が可能だ。また、現在リモートPCにローカルでログオン中のユーザーの場合は、Administratorsグループ、Remote Desktop Usersグループに属していなくても、同じユーザーとして別のマシンからリモートデスクトップに接続することができる。

画面7 [リモート ユーザーの選択] ボタンをクリックするとリモートデスクトップ接続を受け入れるユーザーが表示される

 

5.         [OK] をクリックして [リモート デスクトップ ユーザー] 画面を閉じる。
[OK]
をクリックして [システムのプロパティ]を閉じる。

6.         Windows XPのファイアウォール機能を使っている場合は、リモートデスクトップに利用するポートを開く必要がある。
そのためには、[コントロール パネル] [ネットワークとインターネット接続] [ネットワーク接続] を開き、[ローカル エリア接続] または [インターネット接続] を右クリックして、[プロパティ] をクリックする。

7.          [詳細設定] タブをクリックして、[設定] をクリックする

画面8 [詳細設定] タブで [設定] ボタンをクリックする

 

8.         [詳細設定] ダイアログの [サービス] タブで、[リモート デスクトップ]にチェックを付ける。

画面9 [サービス] タブで [リモート デスクトップ] をチェックする

 

9.         [サービス設定] ダイアログで [OK] をクリックする。これで3389ポートへの着信が可能になる。
他のファイアウォールを使っている場合は、マニュアルに従ってTCPポート3389への着信アクセスを許可する。
なお、セキュリティを高めるために、着信ポートを別のポートに変更することができる。その方法についてはhttp://www.microsoft.com/JAPAN/support/kb/articles/JP187/6/23.aspを参照していただきたい。

画面10 [サービス設定] ダイアログで [OK] をクリックする

 

●クライアント側の設定

 ローカルPCWindows XP以外であっても、リモートデスクトップ接続クライアントあるいはターミナルサービスクライアントをインストールしていればWindows XP ProfessionalのリモートPCに接続できる。ここではローカルPCWindows XPの場合を説明する。

1.         [スタート] メニューから [すべてのプログラム] [アクセサリ] [通信] [リモート デスクトップ接続] をクリックする。

画面11 [スタート] メニューから [すべてのプログラム] − [アクセサリ] − [通信] − [リモート デスクトップ接続] をクリックする

 

2.         画面12が表示される。リモートPCLAN上にあれば、ここで [コンピュータ] 欄にリモートPC名を入力するか、右のドロップダウンリストからコンピュータを選択して [接続] をクリックするだけで、リモートPCに接続できる。
この場合は、デフォルトの画面の解像度や色数などで接続が行われる。デフォルトでは、リモートデスクトップウィンドウの解像度や色数は、リモートPC側の設定には関わりなく、ローカルPC画面の解像度と色数に合わせられる。
ここで詳細な設定を行いたい場合は [オプション] をクリックする。

画面12 ここでコンピュータを指定して [接続] ボタンをクリックするとデフォルトの設定ですぐに接続できる。詳細な設定を行う場合は [オプション] ボタンをクリックする

 

3.         オプション画面の [全般] タブではログオン設定などを行う。
インターネットを通して接続する場合は [コンピュータ] の欄にリモートPCIPアドレスを入力する。LAN接続の場合はコンピュータ名を入力するか、右のドロップダウンリストからコンピュータを選択する。
[
ユーザー名] 欄には、そのコンピュータでリモートデスクトップ接続が許可されているアカウント名を、[パスワード] 欄には、ログオンするためのパスワードを、アカウントにドメインを設定している場合は、[ドメイン] 欄にドメイン名を入力する。
なお、同じリモートPCに何度も接続する場合は、[名前をつけて保存] ボタンをクリックして設定ファイルを保存しておくことで、次回からは簡単にリモートPCに接続できるようになる。

画面13 [リモートデスクトップ接続] の [全般] タブ画面

 

4.         [画面] タブでは画面のサイズと色数などを設定する。
[
全画面表示] にすれば、リモートのマシンがほとんど自分のマシンのようになる。
画面の色数を少なくすれば、その分高速に通信できるようになるので、ストレスを感じない程度にまで色数を減らすのが賢い使い方だ。なお、Windows 2000 Serverのターミナルサービスに接続する場合は256色しか利用できない。

画面14 [リモートデスクトップ接続] の [画面] タブ画面

 

5.         [ローカル リソース] タブでは、ローカルPC側の各種リソースをリモートデスクトップで利用するかどうかを設定する。
[
リモート コンピュータのサウンド] で、リモートPC側のサウンドをローカルPCで再生するかどうかの設定を行う。
[
キーボード] で、[AltTab] キーのようなショートカットキーの適用先を選択する。ALT+TABのような特別なキーを押すと、通常はローカルPC側のウィンドウの切り替えになるが、この設定を変えると、全画面モード時だけはリモートPC側のウィンドウ内での切り替えに使ったり、常にリモートPC側へキーコードを送ったりすることができる。
リモートPC側で通常のショートカットキーが使えない場合でも、代替のショートカットキーが用意されている (後述)
[
ローカル デバイス] では、ローカルPCに接続されたディスクドライブ (ハードディスク、CD-ROMなど) や、プリンタ、シリアルポートにリモートデスクトップからアクセスできるように設定できる。例えば、[プリンタ] にチェックを付けると、リモートPCで開いた書類を、ローカルPCで直接印刷することができるようになる。

画面15 [リモートデスクトップ接続] の [ローカル リソース] タブ画面

 

6.         [プログラム] タブではリモートデスクトップ接続時に実行するプログラムを指定できる。

画面16 [リモートデスクトップ接続] の [プログラム] タブ画面

 

7.         [エクスペリエンス] タブでは、接続する際の全体的なパフォーマンスを調整することができる。リモートデスクトップでは、リモートPCのメモリ上に仮想的な画面を作成し、描画によって変更があった差分データだけをローカルPCに送っている。そのため画面が頻繁に書き換えらると、転送データが増え、ネットワークのトラフィックが増大する。このトラフィックを最小にするために、ネットワークの帯域に応じてデスクトップの描画方法を変更したり、背景を省略したり、アニメーション効果などを抑止したり、フォントをローカルPC側にキャッシュしたりできる。
接続速度では、[モデム (28.8 Kbps)][モデム (56 Kbps)][広帯域 (128 Kbps 1.5 Mbps)][LAN (10 Mbps以上)][カスタム]の中から選択できる。ここを選択すると、その下の項目で最適な機能が自動的に選ばれる。

画面17 [リモートデスクトップ接続] の [エクスペリエンス] タブ画面

 

8.         すべての設定が終了したら、 [接続] ボタンをクリックする。
手順5でローカルのディスクドライブやシリアルポートをリモートデスクトップから利用するように設定していると、画面18の警告が表示される。

画面18 ローカルのディスクドライブやシリアルポートを利用するように設定していると警告が表示される

 

9.         すでに誰かがリモートPCにリモートデスクトップ接続で、あるいはローカルにログオンしていると、ローカルPC側にはその接続を切断して、新たにログオンするかどうかを問い合わせるメッセージが表示される場合がある (詳細は後述)

画面19 ローカルPC側に表示されるメッセージ

 

10.      警告に対して [はい] をクリックすると、今度はリモートPC側にメッセージが表示される。

画面20 リモートPC側に表示されるメッセージ

 

11.      ここで [はい] をクリックすると、先にログオンしていたユーザーは停止状態になり、ユーザーの切り替え機能により、新しいユーザーがリモートデスクトップによりログオンすることになる。また [はい] をクリックしなくても数秒後に自動的に [はい] をクリックしたと同じに、先にログオンしていたユーザーが停止状態になる。
画面20 [いいえ] をクリックすると、ローカルPCの画面に画面21が表示され、リモートデスクトップは成立しない。

画面21 リモートPC側に拒否されたメッセージ

 

12.      リモートデスクトップ接続が成立すると、ローカルPCの画面にはリモートPCのデスクトップが、オプションの設定に従って、そのまま表示される。
リモートPCの画面をローカルPCの画面より低い解像度で表示する設定にしている場合は、画面22のようにリモートPC側の画面がウィンドウに表示される。
また、リモートPCの画面をクライアントと同じ解像度で表示する設定にしている場合は、画面23のように全画面で表示される。
手順4 (画面14) で、[全画面表示モードのときには接続バーを表示する] にチェックを入れていると、全画面表示の上部に接続バーが表示され、これを使ってデスクトップの操作が可能になる。
接続バーの左側にあるピンの形のアイコンをクリックすると接続バーの表示/非表示を切り替えられる。接続バーを非表示にしているときに、画面上部にマウスカーソルを持っていくと接続バーが表示される。

画面22 リモートPC側画面がウィンドウで表示された場合

 

画面23 リモートPC側画面が全画面で表示された場合

 

13.      リモートデスクトップ接続中は、リモートPCにはユーザーの切り替え画面が表示されるが (コンピュータのロック画面が表示される場合もある)、この画面にはリモートデスクトップが実行中という表示はないので、うっかり誰かがログオンしてしまう可能性がある点は注意して欲しい。リモートデスクトップの実行中に、リモートPC側でローカルに誰かがログオンすると、ローカルPC側には画面24のメッセージが表示され、警告なしにリモートデスクトップ接続が切断される。 

画面24 リモートPC側に誰かがローカルログオンしたときにローカルPC側に表示されるメッセージ