「ネットワークとダイヤルアップ接続」のアプレットもフォルダの形になっている。このアプレットを開くと、画面9-1の画面が表示される。ネットワークカードがインストールされている場合は、画面のように [ローカル エリア接続] のアイコンが表示される。「ネットワークとダイヤルアップ接続」のアプレットにはLANやインターネット、ケーブル接続など、ネットワーク関連の設定がまとまっているので、ネットワークの設定を行う場合はこのアプレットが基本になる。なお、このアプレットも、[スタート] メニューの [プログラム] − [アクセサリ] − [通信] − [ネットワークとダイヤルアップ接続] でも起動できる。
画面9-1:「ネットワークとダイヤルアップ接続」のアプレットを開いた画面
新しいネットワーク接続を作成する場合は、[新しい接続の作成] をダブルクリックすると、[ネットワークの接続ウィザード] が実行される (画面9-2)。
画面9-2:[ネットワークの接続ウィザード] の画面
次にネットワーク接続の種類を選択する画面が表示される (画面9-3)。
画面9-3:ネットワーク接続種類の選択画面
モデムやTAなどを使ってVPN経由で他のPCに直接接続する場合は [プライベート ネットワークにダイヤルアップ接続する] を、モデムやTAなどを使ってインターネットに接続する場合は [インターネットにダイヤルアップ接続する] を、インターネットとVPN経由で他のPCに接続する場合は [インターネット経由でプライベート ネットワークに接続する] を、他のPCからの接続を受け付けるようにする場合は [着信接続を受け付ける] を、そして、シリアルまたはパラレルケーブル、あるいは通信によって他のPCと直接接続する場合は [ほかのコンピュータに直接接続する] を選択する。
後は画面に従って操作するだけなので、詳細は省略するが、[インターネットにダイヤルアップ接続する] 場合だけ説明しておこう。[インターネットにダイヤルアップ接続する] を選択すると、[インターネット接続ウィザード] が起動する (画面9-4)。このウィザードは、[スタート] メニューの [プログラム] − [アクセサリ] − [通信] − [インターネット接続ウィザード] で起動されるものと同じだ。
画面9-4:[インターネット接続ウィザード] の画面
ここでは、プロバイダ (ISP) のアカウントをまだ持っておらずモデム経由でインターネットに接続したい場合は [新しいインターネット アカウントにサインアップします (電話回線はモデムに接続されています)] を、すでにISPのアカウントを持っておりモデム経由でインターネットに接続する場合は [既存のインターネット アカウントをこのコンピュータに移します (電話回線はモデムに接続されています)] を、ADSLモデムやルーター経由あるいはLAN経由でインターネットに接続する場合は [インターネット接続を手動で設定するか、またはローカル エリア ネットワーク (LAN) を使って接続します] を選ぶ。
[新しいインターネット アカウントにサインアップします (電話回線はモデムに接続されています)]、あるいは [既存のインターネット アカウントをこのコンピュータに移します (電話回線はモデムに接続されています)] を選んだ場合は、モデムまたはTAを使ってMicrosoft インターネット参照サービスに接続してISP情報をダウンロードするので、あらかじめモデム/TAの設定を済ませておく必要がある。後はメッセージに従うだけだ。
[インターネット接続を手動で設定するか、またはローカル エリア ネットワーク (LAN) を使って接続します] を選んだ場合は、画面9-5が表示される。
画面9-5:[インターネット接続ウィザード] のインターネット接続の設定画面
モデムまたはTAを使ってインターネットに接続する場合は [電話回線とモデムを使ってインターネットに接続します] を、ADSLモデム、ルーターあるいはLAN経由でインターネットに接続する場合は [ローカル エリア ネットワーク (LAN) を使ってインターネットに接続します] を選ぶ。
[電話回線とモデムを使ってインターネットに接続します] を選んだ場合は、画面9-6が表示されるので、ISPの電話番号を入力する。
画面9-6:ISPの電話番号入力画面
この画面で [詳細設定] ボタンをクリックすると、[詳細接続プロパティ] 画面が表示され、[接続] タブでは、接続の種類とログオンの手続きを設定できる (画面9-7)。この設定はISPの指示に従う。
画面9-7:[詳細接続プロパティ] の [接続] タブ画面
[アドレス] タブ画面 (画面9-8) では、IPアドレスとDNSの設定を行うが、これもISPの指示に従って設定する。
画面9-8:[アドレス] タブ画面
ダイヤルアップ接続の設定がすむと、画面9-9のように「ネットワークとダイヤルアップ接続」のアプレットに、そのアイコンが表示される。
画面9-9:新しいアイコンが追加された
各接続の詳細な設定は、アイコンを右クリックして [プロパティ] を開いて行う。ダイヤルアップ接続のプロパティを開くと、画面9-10のような画面が表示される。
画面9-10:ダイヤルアップ接続のプロパティ画面
[全般] タブではモデム/TAの構成やISPの電話番号の変更などができる。ここで [構成] ボタンをクリックすると、[モデムの構成] 画面 (画面9-11) が表示され最高通信速度やハードウェアの機能などを設定できる。
画面9-11:[モデムの構成] 画面
ダイヤルアップ接続のプロパティ画面の [オプション] タブでは、ダイヤルのオプションやリダイヤルの設定ができる (画面9-12)。
画面9-12:ダイヤルアップ接続のプロパティの [オプション] タブ画面
[セキュリティ] タブ画面では、IDを確認する方法やログオンスクリプトの設定ができる (画面9-13)。
画面9-13:[セキュリティ] タブ画面
[ネットワーク] タブ画面 (画面9-14) では、ダイヤルアップサーバーの種類の変更、ネットワークコンポーネントのインストールや設定ができる。ネットワークコンポーネントのインストールや設定については、この後の「ローカルエリア接続」の項で説明する。
画面9-14:[ネットワーク] タブ画面
ここで [設定] ボタンをクリックすると画面9-15が表示され、選択したダイヤルアップサーバーの設定ができる。
画面9-15:[ネットワーク] タブ画面で [設定] ボタンをクリックすると選択したダイヤルアップサーバーの設定ができる
ダイヤルアップ接続のプロパティ画面の [共有] タブ (画面9-16) では、インターネット接続の共有の設定ができる。この機能はLANでこのPCと接続している他のPCが、このPCのダイヤルアップ接続を通してインターネットに接続するための機能で、1つの回線で複数のPCが同時あるいは別々にインターネットに接続できるようにするものだ。この機能を使う場合は、[この接続でインターネット接続の共有を有効にする] にチェックを付ける。
画面9-16:[共有] タブ画面で [この接続でインターネット接続の共有を有効にする] にチェックを付けると、インターネット接続の共有機能が有効になる
「ネットワークとダイヤルアップ接続」アプレットの [ローカル エリア接続] を右クリックして [プロパティ] を開くと、画面9-17が表示される。ここでは、ネットワークカードの構成の変更とネットワークコンポーネントのインストール・設定ができる。
画面9-17:「ネットワークとダイヤルアップ接続」アプレットの [ローカル エリア接続] を右クリックして開かれる [プロパティ] 画面
ここで [構成] ボタンをクリックするとネットワークカードのプロパティ画面が表示される。これはデバイスマネージャから開くのと同じ画面だ。
[インストール] ボタンをクリックすると、画面9-18の [ネットワーク コンポーネントの種類の選択] 画面が表示される。
画面9-18:[ネットワーク コンポーネントの種類の選択] 画面
[クライアント] を選択して [追加] ボタンをクリックすると、画面9-19の [ネットワーク クライアントの選択] 画面が表示される。ここでは [NetWare 用クライアント サービス] を選択できる。NetWareサーバーに接続する必要がある場合はこれをインストールする。標準以外のクライアントをインストールしたい場合は、[ディスク使用] をクリックする。
画面9-19:[ネットワーク クライアントの選択] 画面
[ネットワーク コンポーネントの種類の選択] 画面で [サービス] を選択して [追加] をクリックすると、画面9-20の [ネットワーク サービスの選択] 画面が表示される。ここでは [QoS パケット スケジューラ] と [SAP エージェント] が選択できる。
[QoS パケットスケジューラ] はIPテレフォニーやビデオ会議などでQoSを利用するためのサービスで、SAP (Service Advertising Protocol) エージェントはNetWareとの接続に利用する。
画面9-20:[ネットワーク サービスの選択] 画面
[ネットワーク コンポーネントの種類の選択] 画面で [プロトコル] を選択して [追加] をクリックすると、画面9-21の [ネットワーク プロトコルの選択] 画面が表示される。ここでは [AppleTalk プロトコル] などの5つのプロトコルが選択できる。
Macintoshと接続する場合は [AppleTalk プロトコル] を、IBMホストと接続する場合は [DLC プロトコル] をインストールする。またDOS/Windows環境で [NetBEUI プロトコル] を、あるいはNetWareサーバーと接続する際に [NWLink IPX/SPX/NetBIOS 互換トランスポート プロトコル] を使うこともできる。ただ、Windows環境では基本的にTCP/IPだけで接続できるので、これらのプロトコルをインストールする必要はないし、複数プロトコルを使うと、ネットワークトラフィックを増大させ、無用なトラブルの元になる。
[ネットワーク モニタ ドライバ] は、ネットワークモニタ (Netmon) を使ってネットワークカードからフレーム (またはパケット) を受信する際に使用するもので、これによりLANのトラブルシューティングが可能になる。ただし、NetmonはWindows 2000 Serverにのみ付属しており、Professionalにはない。
画面9-21:[ネットワーク プロトコルの選択] 画面
ローカルエリア接続のプロパティで、インストールされているコンポーネントのチェックを外すと、そのコンポーネントは使用されなくなる。コンポーネントを削除はしないが、一時的に使用を停止したい場合などにチェックを外すとよい。
コンポーネントを選択して [プロパティ] ボタンをクリックすると、そのコンポーネントのプロパティ画面が表示される。プロパティ画面を持たないコンポーネントもある。ここでは [インターネット プロトコル (TCP/IP)] のプロパティを説明する。TCP/IPのプロパティを開くと画面9-22が表示される。デフォルトでは [IP アドレスを自動的に取得する] と [DNS サーバーのアドレスを自動的に取得する] にチェックが付いている。
画面9-22:[インターネット プロトコル (TCP/IP) のプロパティ] 画面
ネットワーク上に複数のDNSサーバーがあるなど、明示的にDNSサーバーを指定したい場合は、[次の DNS サーバーのアドレスを使う] にチェックを付けて、[優先 DNS サーバー] 欄にDNSサーバーのIPアドレスを入力する。優先DNSサーバーがダウンしているときに別のDNSサーバーを利用するようにしたい場合は、[代替 DNS サーバー] 欄にも入力する。
注意して欲しいのは、代替DNSサーバーは優先DNSサーバーで名前解決ができない場合でも参照されることはない点だ。優先DNSサーバーが動作していない場合だけ利用される。
ネットワーク上にDHCPサーバーがある場合は [IP アドレスを自動的に取得する] のままでよいが、DHCPサーバーがない場合は、[次の IP アドレスを使う] にチェックを付けて、手動でIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを設定する (画面9-23)。
画面9-23:手動でIPアドレスを設定した例
ここで [詳細設定] ボタンをクリックすると、画面9-24が表示され、さらに細かな設定ができる。
[IP 設定] タブでは、IPアドレスとゲートウェイを複数設定することができる。複数のIPアドレスは、1つの物理ネットワーク上に複数の異なるネットワークが存在するばあいに利用する。また、複数のゲートウェイを設定しても、DNSサーバーの場合と同じで、最初のゲートウェイが利用できないときのみ次のゲートウェイが利用される。
画面9-24:複数のIPアドレスとゲートウェイを設定した例
[TCP/IP 詳細設定] 画面の [DNS] タブ (画面9-25)では、優先、代替以外にさらに複数のDNSサーバーを指定することができる。またDNSサフィックス (ドメイン名) の扱いを指定することができる。
DNSサーバーがダイナミックDNSに対応していない場合は [この接続のアドレスを DNS に登録する] のチェックを外す。また、ダイヤルアップでインターネットに接続している場合に、ここにチェックが入っていると予期しないときにダイヤルアップしてしまうことがあるので注意したい。
画面9-25:[TCP/IP 詳細設定] の [DNS] タブ画面
[WINS] タブ (画面9-26) ではWINSの設定を行う。WINS(Windows Internet Name Service) はIPアドレスとコンピュータ名 (NETBIOS名) の対応付けを行うためのサービスで、ネットワーク上にWINSサーバーがある場合はそのIPアドレスを指定する。複数のWINSサーバーが指定できる。またWINSの代わりにLMHOSTSファイルを使うこともできる。
下段の3つのチェックボックスの使い方だが、NetBEUIプロトコルがインストールされていなくて、Windows 9xやWindows NT 4.0とTCP/IPプロトコルでファイル共有/プリンタ共有を行う場合は [NetBIOS over TCP/IP を有効にする] をチェックする。このチェックがないと、ネットワークコンピュータで他のPCがブラウズできなくなる。一方、NetBEUIプロトコルがインストールされていて、NetBEUIプロトコルでファイル共有/プリンタ共有を行う場合、あるいはTP/IPによるWindows 2000同士でのファイル共有/プリンタ共有では [NetBIOS over TP/IP を無効にする] をチェックする。このチェックがないとTP/IPとNetBEUIの両方でファイル共有/プリンタ共有が行われるため、無駄なトラフィックが増え、オーバーヘッドが大きくなる (ファイル共有/プリンタ共有自体はできる)。また、DHCPサーバーがWINSサーバーの情報を提供する場合は [DHCP サーバーから NetBIOS 設定を使う] をチェックする。
画面9-26:[TCP/IP 詳細設定] の [WINS] タブ画面
[オプション] タブでは、IPSECによる暗号化通信機能を使うかどうが設定できる(画面9-27)。
画面9-27:[TCP/IP 詳細設定] の [オプション] タブ画面で [IP セキュリティ] のプロパティを開いたところ
また、TCP/IPフィルタリングの設定もできる (画面9-28)。デフォルトではフィルタは無効になっているが、[TP/IP フィルタリングを有効にする (すべてのアダプタ)] にチェックを付けると有効にできる。フィルタリングでは、TCPポート、UDPポート、IPプロトコルごとにすべてを許可するか、一部のみ許可するかを設定する。
画面9-28:[TCP/IP 詳細設定] の [オプション] タブ画面で [TCP/IP フィルタリング] のプロパティを開いたところ
もう一度「ネットワークとダイヤルアップ接続」アプレットに戻って、この [詳細設定] メニュー (画面9-29) にも重要な機能があるので、それを説明する。
画面9-29:「ネットワークとダイヤルアップ接続」アプレットの [詳細設定] メニュー
[ダイヤルアップの基本設定] を開くと、[ダイヤルアップ設定] 画面 (画面9-30) が表示される。[オートダイヤル] タブでは、所在地ごとに、左側のチェックボックスにチェックを付けるとオートダイヤルが有効になり、チェックを外すと無効になる。
画面9-30:[詳細設定] メニューから [ダイヤルアップの基本設定] を開いたところ
[コールバック] タブでは、コールバックを行うかどうかを設定できる (画面9-31)。
画面9-31:[ダイヤルアップ設定] の [コールバック] タブ画面
[詳細設定] メニューの [詳細設定] を開くと、[詳細設定] 画面が表示される。[アダプタとバインド] タブでは、アダプタごとにバインドの設定ができる。このバインドの設定はWindows NT 4.0に比べて、非序に気がつきにくい場所にある。
デフォルトではすべてのプロトコルに対してバインドされているので、不要なバインドはチェックを外しておいた方がよい。例えば画面9-32では [Microsoft ネットワーク用ファイルとプリンタ共有] に対して [NetBEUI プロトコル] と [インターネット プロトコル (TCP/IP)] の両者がバインドされているが、NetBEUIでファイル/プリンタ共有を行うのであれば、[インターネット プロトコル (TCP/IP)] のチェックを外しておいた方がよい。
画面9-32:[詳細設定] メニューから [詳細設定] を開いたところ
[プロバイダの順序]タブ (画面9-33) では、プロバイダにアクセスする順番を変更することができる。上にあるものほど優先的にアクセスされる。
画面9-33:[プロバイダの順序] タブ画面
この他に、[詳細設定] メニューには、[ネットワーク ID] や [オプション ネットワーク コンポーネント] などがあるが、[ネットワーク ID] は「システム」のアプレットから開くものと同じで、[オプション ネットワーク コンポーネント] も「アプリケーションの追加と削除」アプレットから開くものと同じなので、各々の項を参照していただきたい。