Disk Probeの使い方
本サイトではいろいろな場所で「Disk Probe」を使った操作を紹介しているが、このDisk probeのインストール方法がわからない、あるいは使い方がよくわからないという質問をよく受ける。そこで、ここではDisk Probeのインストール方法と基本的な使い方を解説しよう。
Disk Probeは、Windows 2000/XP/2003のサポートツールズ、Windows NTのリソースキットに含まれているツールであり、ハードディスクやフロッピィディスク、MO、USBメモリなどの、ディスクとして認識される外部記憶装置をセクタ単位で編集するためのローレベルディスクエディタだ。
セクタ単位というのは、OSが提供するファイルシステムを使ったアクセスではなく、セクタという物理レベル (ローレベル) でのアクセスを行うことで、通常はアクセスできないディスクの領域をも編集可能にすることができるという意味だ。
例えばハードディスクの先頭セクタにあるMBR (Master Boot Record) やパーティションの先頭セクタにあるPBS (Partition Boot Sector)、あるいはファイルシステムを司るFATやMFTなどの管理領域はエクスプローラなどの通常のプログラムからは直接見ることができないが、ローレベルディスクエディタであれば、それを直接見たり編集することができる。
もちろんローレベルディスクエディタでは、これらの特殊なディスク領域だけでなく、通常のデータが格納されているデータ領域も見たり編集したりすることができる。つまり、ローレベルディスクエディタを使えば、ディスク上のすべての領域を操作できるということになる。
ローレベルディスクエディタとしては、Disk Probeだけでなく、有料のソフトやフリーソフトなど、いくつかのソフトが存在する。別にDisk Probeを使わなければディスクの操作ができないということはないが、Disk ProbeはWindowsに付属しているツールであり、無料で使えることと、Microsoft謹製のソフトであることから安心して使えるということで、本サイトではもっぱらDisk Probeを使った操作を紹介している。もしDisk Probe以外のローレベルディスクエディタの方が使い慣れているというのであれば、それを使ってもらって一向に構わない。
またWindows 9xにはDisk Probeが存在しないし、Windows NT/2000/XP/2003用のDisk Probeを使うこともできないので、Windows 9xではサードパーティ製のローレベルディスクエディタを使う必要がある。
Disk Probeではディスクのすべてのセクタにアクセスできる。これにより、例えばMBRやPBS、あるいはFATやMFTに何らかの理由で障害が起きたときに、そこを直接編集して修復するといったことが可能だ。あるいは、データ領域に直接アクセスして、通常の方法では取り出せないデータを救出するということも可能だ。
ただし、そのためにはMBRやPBS、FAT、MFTなどの構造について理解していなければ、どこをどう修復すればよいかわからないことになるので、こうしたディスクの構造についての知識が不可欠になる。
基本的にここで紹介する操作は絶対に初心者向きではない。相当の上級者でなければできないと思って欲しい。自分で操作する自信がなければ上級者に頼むことを考えていただきたい。本サイトで紹介している操作については、そのとおりに操作すれば間違いが起きないように検証を行っているが、操作をたった1ヵ所間違っただけで取り返しのつかない結果になることはありえるし、その結果については自己責任であることを承知しておいていただきたい。
Disk ProbeはWindows 2000/XP/2003の場合は製品CD-ROMの「\SUPPORT\TOOLS」フォルダに他のサポートツールズと一緒に収録されている。ただ、OEM版のWindowsやWindowsがプリインストールされているPCにはサポートツールズが付属していない場合がある。またWindows NT 4.0の場合は別売のリソースキットに他のツールと一緒に収録されている (NT 3.xについては未確認)。
Windows NT 4.0のリソースキットを持っていない場合でも、
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=3E972E9A-E08A-49A2-9D3A-C0519479E85A&displaylang=en
からDisk Probeを含むNT 4.0のリソースキットをダウンロードできる。
また、Windows 2000のサポートツールズについては
http://www.microsoft.com/japan/windows2000/downloads/servicepacks/SP4/supporttools.mspx(現在このURLは無効になっています)
Windows XPのサポートツールズは
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=49ae8576-9bb9-4126-9761-ba8011fabf38&displaylang=ja
Windows Server 2003のサポートツールズは
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=6EC50B78-8BE1-4E81-B3BE-4E7AC4F0912D&displaylang=en
からダウンロードできるので、CD-ROMにサポートツールズが収録されていない場合でもDisk Probeをインストールすることができる。
インストールは「SETUP.EXE」を実行するかダウンロードファイルを実行すれば、後はウィザードにしたがって操作するだけだが、Windows XPの場合は途中で「Typical」(デフォルト) ではなく「Complete」を選択しないと (画面1) Disk Probeがインストールされない。またWindows Server 2003の場合は「SETUP.EXE」が存在しないが、「\SUPPORT\TOOLS」フォルダの「SUPTOOLS.MSI」を実行すればインストールが開始される。
画面1 Windows XPでは「Complete」を選択してインストールする
Windows Vista/2008/7の場合は、Disk Probeが提供されていないが、Windows 2000用またはWindows XP用が利用できる (一部機能制限あり)。ただし、Windows XP用のサポートツールズはVista/2008/7にインストールができないので、既にWindows XPにDisk Probeがインストールされているならば、そのインストールから「dskprobe.exe」をVista/2008/7の適当なフォルダにコピーすれば使うことができる。
また次の方法でWindows XP用のサポートツールズをWindows Vista/2008/7で使うこともできる。
1) 前述のURLから WindowsXP-KB838079-SupportTools-ENU.exe をダウンロードする。
2) コマンドプロンプトを管理者として実行する。
3) コマンドプロンプトでダウンロードしたフォルダに移動して "WindowsXP-KB838079-SupportTools-ENU.exe /c" を実行する。
4) ダイヤログにしたがって展開先フォルダを指定する。
指定したフォルダに WindowsXP-KB838079-SupportTools-ENU.exe が展開されていくつかのファイルができる。
5) 展開先フォルダに移動して "expand support.cab -f:dskprobe.exe ." を実行する。
6) 解凍された dskprobe.exe を適当なフォルダにコピーする。
Windows 2000のサポートツールズの場合、「2000RKST.MSI」を右クリックして「インストール」を実行するとインストールすることができる。途中で何度かエラーが出るが、そのつど「Ignore」を選択することでDisk Probeがインストールされる。
なお、Vista/2008/7でDisk Probeを実行する際は、右クリックから「管理者として実行」を選ばないと正常に動作しない。さらに、Vista/2008/7上でのWindows 2000/XP用Disk Probeには一部の機能が使えないという問題がある。具体的には、FAT (MFT) やルートディレクトリなどの領域への書き込みができない。書き込みを行おうとすると「Incomplete Data Write」というメッセージが表示されて、書き込みに失敗する。ただし、MBRやPBSへの書き込みは正常にできるので、MBRやPBSへの書き込みしか利用しないのであれば、これで不自由することはない。
この問題は、対象ドライブが内臓IDE/SATA HDDでもUSBメモリでも起き、ファイルシステムについては、FAT16/32でもNTFSでも起きることを確認した。今のところ原因は不明だ。ただ、Disk Probe自体が本来はVista/2008/7に対応していないものなので、不具合があっても仕方のないことではある。
FAT (MFT) やルートディレクトリ等への書き込みが必要な場合は、Windows 2000/XP/2003で行っていただきたい。
Windows NT 4.0の場合は、「スタート」メニューから「プログラム」→「Resource Kit 4.0 Support Tools」→「Tools Management Console」を開き、「Console Root」→「Windows NT 4.0 Support Tools」→「Tools Categories」→「Disk/Fault Tolerance Tools」→「DskProbe」で起動できる (画面2)。
Windows 2000の場合は、「スタート」メニューから「プログラム」→「Windows 2000 Support Tools」→「Tools」→「Disk Probe」で起動できる。
一方、Windows XP/2003の場合は、「スタート」メニューにアイコンが作成されないので、「\Program Files\Support Tools\」フォルダにある「dskprobe.exe」を直接起動するかそのアイコンを作っておけばよい。なお、どのOSの場合も「コマンドプロンプト」または「ファイル名を指定して実行」にdskprobeと入力して起動することができる。
なお、いずれのOSの場合も、Disk Probeを使うためには管理者ユーザーとしてログオンしていなければならない。
画面2 Windows NT 4.0では「Tools Management Console」の「Console Root」→「Windows NT 4.0 Support Tools」→「Tools Categories」→「Disk/Fault Tolerance Tools」→「DskProbe」で起動する
画面3はWindows XPでDisk Probeを起動した画面だ。Windows NT 4.0用からWindows XP用まで、Disk Probeのバージョンは1.0で同じだが、Windows NT 4.0用とWindows 2000用との間で細かなレビジョンアップが行われているようで、若干機能・表示が異なる部分がある。Windows 2000用とWindows XP用とは同じようだ。
画面4はWindows Server 2003のもので、こちらは「Disk Probe 2」と新しいバージョンになっている。Disk Probe 2の方がバージョンが新しいだけに機能が少し増えているが、サーバー版は一般的ではないことと、古いDisk Probeでもほとんどの場合十分な機能を持っているので、ここではWindows 2000/XP用のDisk Probeの操作を説明することにする。
なお、Windows Server 2003用の「Disk Probe 2」にはバグがあるようで、希望通りの動作をしない。Windows Server 2003でもXP用あるいは2000用のDisk Probeが動作するので、そちらを使うことをお勧めする。インストール方法はVista/2008/7へのインストールと同様だ。
画面3 Windows XPでDisk Probeを起動した画面
画面4 Windows Server 2003でDisk Probe 2を起動した画面
Disk Probeは英語版であり、日本語版は存在しない。しかし、日本語環境でも問題なく動作する。メニューもそれほど複雑ではないので、英語が苦手という人でも操作に戸惑うことはないだろう。
Disk Probeの基本的な操作方法は次のとおり。なお、以下の説明ではメニューからの機能選択による操作方法を説明しているが、ほとんどの機能はツールバーのアイコンをクリックしても実行できる。
1) 「Dirves」メニューから「Physical Drive...」または「Logical Volume...」を選択する (画面5)。
Physical DriveというのはHDDの物理ドライブを意味する。HDDの全領域にアクセスする必要がある場合はこれを選択する。FDDやMOなどのリムーバブルディスクはここには含まれない。
Logical Volumeというのはマイコンピュータで表示されるパーティションなどの論理ドライブ (A:、C:など) を意味する。つまり、1つのPhysical Driveには複数のLogical Volumeが含まれている。Logical Volumeを選択した時は、その論理ドライブ以外の領域にはアクセスできない。Physical Driveを使えばすべての領域にアクセスできるのだからLogical Volumeを選択する意味はないのではないかと思うかもしれないが、操作が論理ドライブ内に限定される場合は、Logical Volumeを選択した方が、セクタの指定などの操作が楽になるので、有効に活用したほうがよい。またFDDやMOなどのリムーバブルディスクを操作する場合はLogical Volumeを選択しなければならない。
なお、他のアプリケーションが排他モードでドライブをオープンしている場合は、Disk Probeでそのドライブを開くことができないので、あらかじめ他のアプリケーションを終了しておくこと。
画面5 「Dirves」メニューから「Physical Drive...」または「Logical Volume...」を選択する
2a) 「Physical Drive...」を選択した場合は画面6が表示される。ここではHDDが2台あるので、「Avvailable Physical Drives」欄に「PhysicalDrive0」と「PhysicalDrive1」の2つが表示されている。HDDが1台しかない場合は「PhysicalDrive0」だけしか表示されない。
3a) 操作したい方をダブルクリックすると、下の欄の「Handle 0」または「Handle 1」としてダブルクリックしたPhysicalDriveが表示される。
デフォルトでは「Open Mode」が「OPEN_READONLY」になっている。これは誤ってセクタを書き換えることがないように読み取り専用で開くモードだ。書き込みをする予定であれば、「Read Only」のチェックと外すことで「OPEN_READWRITE」モードに変わる。実は「OPEN_READONLY」モードのままでも警告のメッセージに「はい」と答えると書き込みができるので、このチェックはそれほど重要ではない。
4a) さらに「Set Active」ボタンをクリックして、開いたドライブをアクティブにすることでそのドライブに対して操作ができる準備が整う (画面7)。
なお、複数の物理ドライブがある場合、同時に2つのドライブをオープンにすることができる。ただし、アクティブにできるのはどちらか一方だけであり、アクティブになっているドライブだけが操作対象になる。言い換えれば、2つのドライブを同時にオープンしておき、必要に応じてアクティブドライブを切り替えることで操作対象のドライブを切り替えることができる。
ドライブをクローズしたい場合は、「Close Handle」ボタンをクリックすればよい。
5a) ここまでの設定が終わったら「OK」ボタンをクリックしてこのウィンドウを閉じる。
画面6 「Physical Drive...」を選択すると、このウィンドウが表示される
画面7 「Physical Drive1」をダブルクリックしてオープンし、「Set Active」ボタンをクリックした
2b) 「Logical Volume...」を選択した場合は画面8が表示される。「Logical Volumes」欄にはWindowsから認識されている論理ドライブ名がすべて表示されている。
3b) 操作したいドライブ名をダブルクリックすると、下の欄の「Handle 0」または「Handle 1」としてダブルクリックしたドライブ名が表示される。
デフォルトでは「Open Mode」が「OPEN_READONLY」になっている。これは誤ってセクタを書き換えることがないように読み取り専用で開くモードだ。書き込みをする予定であれば、「Read Only」のチェックを外すことで「OPEN_READWRITE」モードに変わる。実は「OPEN_READONLY」モードのままでも警告のメッセージに「はい」と答えると書き込みができるので、このチェックはそれほど重要ではない。
4b) さらに「Set Active」ボタンをクリックして、開いたドライブをアクティブにすることでそのドライブに対して操作ができる準備が整う (画面9)。
なお、複数の論理ドライブがある場合、同時に2つのドライブをオープンにすることができる。ただし、アクティブにできるのはどちらか一方だけであり、アクティブになっているドライブだけが操作対象になる。言い換えれば、2つのドライブを同時にオープンしておき、必要に応じてアクティブドライブを切り替えることで操作対象のドライブを切り替えることができる。1つのPhysical Driveと1つのLogical Volumeを同時にオープンすることもできる。
ドライブをクローズしたい場合は、「Close Handle」ボタンをクリックすればよい。
5b) ここまでの設定が終わったら「OK」ボタンをクリックしてこのウィンドウを閉じる。
画面8 「Logical Volume...」を選択すると、このウィンドウが表示される
画面9 「H:」をダブルクリックしてオープンし、「Set Active」ボタンをクリックした
1) 準備ができたら、閲覧あるいは編集したいセクタをDisk probeに読み込む。そのためには、「Sectors」メニューから「Read」をクリックする 「画面10」。
画面10 「Sectors」メニューから「Read」をクリックする
2) 画面11または画面12が表示されるので、「Starting Sector」と「Number of Sectors」に必要な数値を10進数 (16進数ではなく) で入力する。
Starting Sectorは読み込む最初のセクタであり、数値は0から始まる (1からでないことに注意)。また同じ0であっても、Physical DriveとLogical Volumeでは別のセクタを意味していることに注意していただきたい。なぜなら、Physical Driveでは物理ドライブの先頭から数えるので、セクタ0はMBRのあるセクタを指す。一方、Logical Volumeの場合は、そのドライブの先頭から数えるので、セクタ0はPBSを指している。つまり、Physical Driveでは絶対セクタを指定するのに対し、Logical Volumeでは、そのドライブの先頭からの相対セクタを指定する。
具体的な例をあげると、HDDの先頭にある基本パーティションのPBSの位置は、Physical Driveで指定する場合は「63」セクタになるが、Logical Volumeで指定するときは「0」セクタになる。2番目以降のパーティションのPBSは、Physical Driveの場合は計算しないとわからないが、Logical Volumeでは常に「0」セクタだ。ここは非常に間違いやすい箇所なので、しっかりと頭に叩き込んでおいて欲しい。
このことは、Logical Volumeを選択した場合には、MBRなど、そのドライブ外の領域にはアクセスできないことを意味している。
Number of Sectorsには、閲覧/編集したい領域を含むだけの数値を10進数で入力すればよい。ただし読み込み可能な最大セクタ数は4096セクタ (2MB) だ。
3) 「Read」ボタンをクリックすると、指定したセクタがDisk Probeに読み込まれる。
画面11 Physical DriveのRead指定画面
画面12 Logical VolumeのRead指定画面
Physical DriveでStarting Sectorを0と入力した場合は、その物理ドライブのMBRがDisk Probeに読み込まれ画面に表示される (画面13)。
Logical VolumeでStarting Sectorを0と入力した場合は、その論理ドライブのPBSがDisk Probeに読み込まれ画面に表示される (画面14)。
いずれの画面も1つの例であり、HDDの構成の違いにより表示される内容が異なるので、これとまったく同じ画面にならなくても心配はいらない。
画面に表示されているのは1セクタ分のデータだ。画面の一番左側には「0000」から「01F0」までの数字がたてに並んでいる。これは現在表示されているセクタのオフセット (相対アドレス) を表している。
真ん中にある2桁の数値で横に16桁、縦に32行あるのが実際のデータだ。2桁の数値は16進 (00からFF) の数値で1バイトのデータを表している。1行で16バイトになる。全部で32行なので、16×32で合計512バイトあることになる。
右側に数字やアルファベット、それに「...」で表示されているのは、真ん中のデータをASCII文字で表したものだ。対応するASCII文字がないデータは「...」で表されている。
画面13の例で説明すると、一番上の行は、オフセット0000の行で、現在反転している「33」の数値がオフセット0000になる、その右の「C0」はその次のオフセット0001になる、同様に、その右はオフセット0002となり、右端のデータ「7C」はオフセット000Fになる。2行目のデータは「BF」がオフセット0010、右端のデータ「04」がオフセット001Fとなる。画面下のステータスバーには、現在表示しているドライブ、セクタ、オフセットが表示されている。
複数のセクタを読み込んでいるときに、次のセクタを表示するには、「Sectors」メニューから「Next Sector」をクリックする。また、1つ前のセクタを表示するときは「Previous sector」を、先頭セクタを表示するときは「First sector」を、最後のセクタを表示するときは「Last sector」をクリックする。
カーソルは真ん中のデータ領域を移動することができる。キーボードから00からFFまでの16進の数値を入力するとカーソル位置のデータが書き換えられる。ただしこの時点では単に画面上で書き換えられただけで、実際にディスク上のデータが書き換わるわけではないので安心して適当に入力してみてかまわない。データ領域を書き換えると、それに合わせて右にASCII領域の表示も変わる。例えばデータ領域に「61 62 63」と入力すると、ASCII領域に「abc」と表示されるはずだ。
適当に遊んだら、書き込んだデータを廃棄するために、「File」メニューから「Exit」をクリックするか、右上の×ボタンをクリックして、いったんDisk Probeを終了しておこう。「Flush current changes to disk?」と聞かれたら「いいえ」をクリックする。
画面13 MBRを読み込んだ画面
画面14 PBSを読み込んだ画面
1) 編集したデータをドライブに保存する場合は、画面10で「Write」をクリックする。
2) 画面15が表示されるので、「Starting sector to write data」に書き込みをするドライブの先頭セクタを指定する。
ここで指定するStarting Sectorは、読み込みの場合と同様に、数値は0から始まる (1からでなく)。また同じ0であっても、Physical DriveとLogical Volumeでは別のセクタを意味していることに注意していただきたい。つまり、Physical Driveでは絶対セクタを指定するのに対し、Logical Volumeでは、そのドライブの先頭からの相対セクタを指定する。ここは非常に間違いやすい箇所であるだけでなく、間違ったセクタにデータを書き込んでしまうと取り返しのつかない結果になる危険があるので、慎重な上にも慎重に操作していただきたい。
また、書き込みをするセクタ数は現在Disk Probeに読み込まれている全セクタで、一部のデータだけを書き込むという指定はできない。必要のないデータまで書き込まないように注意しよう。なお、書き込まれるセクタ数は「Select location to write xx sectors to」のxxの部分に表示されている。
3) 「Write it」をクリックすると、画面16の確認画面が表示される。
4) 間違いがないことを確認して「はい」をクリックする。
これで書き込みが完了する。いったん書き込んだデータはアンドゥができないので、くれぐれも慎重に行っていただきたい。
なお、画面8あるいは画面9で「Read Only」のチェックを外さずに「OPEN_READONLY」モードにしている場合は、画面10で「Write」をクリックすると、画面17の警告メッセージが表示される。「OPEN_READONLY」モードを「OPEN_READWRITE」モードに変更してもよいのであれば「はい」をクリックすると、画面15が表示される。
画面15 書き込みをするドライブの先頭セクタを指定する
画面16 間違いがないことを確認して「はい」をクリック
画面17 「OPEN_READONLY」モードの場合は、警告メッセージが表示される
1) 現在Disk Probeに読み込まれているセクタデータを直接ディスクに書き込むのではなく、ファイルとして保存する場合は、「File」メニューから「Save As...」をクリックする (画面18)。
画面18 「File」メニューから「Save As...」をクリックする
2) 画面19が表示されるので、適当なドライブ、フォルダに、適当な名前を付けて「保存」ボタンをクリックする。拡張子には自動的に「.dsk」が付けられる。この拡張子を別のものに変更する場合、「bin」などのバイナリファイルを表す拡張子には変更できるが、「txt」など一般的な拡張子には変更できないので、そうした拡張子に変更したい場合は、いったん保存した後で変更する。
画面19 適当な名前を付けて保存する
1) ファイルに保存してあるセクタデータをDisk Probeに読み込む場合は、「File」メニューから「Open File...」をクリックする (画面18)。
2) 画面20が表示されるので、開きたいファイルを指定して「開く」ボタンをクリックする。
Disk Probeはバイナリエディタでもあるので、ここでセクタデータ以外のバイナリファイル (例えば.exeなどの実行ファイルや.bmpなどの画像ファイルなど) を読み込み、Disk Probeで編集・保存することもできる。ただ、バイナリエディタとしては、Disk probeは使いやすいとはいえないので、専用のバイナリエディタを使ったほうがよい。
画面20 開きたいファイルを指定する
1) ディスク上から特定のデータを探し出す場合は、「Tools」メニューから「Search Sectors...」をクリックする (画面21)。なお、検索可能な範囲は、現在開いているディスク上だけだ。つまり、Physical Driveを開いている場合はHDD全体を検索できるが、Logical Volumeを開いているときはそのパーティション内だけが検索対象になる。
2) 画面22の検索指定画面が表示される。
「Search Type」ではセクタの特定の位置にあるデータを検索する場合は「Search at offset」にチェックを付け、「Offset inhex」欄にそのオフセットを16進で入力する。セクタ内の位置を特定しない場合は「Exhaustive search」にチェックを付ける。「Ignore case」は大文字と小文字を同一視する場合にチェックを付ける。
「Character Type」ではASCII「ASCII characters」かユニコード「Unicode characters」を選択し、「Enter characters to search for」欄に検索する文字列を入力する。
「First sector to search」には検索を開始するセクタを10進数で、「Last sector to search」には検査をする最後のセクタを10進数で入力する。「Search」ボタンをクリックすると検索が開始される。
3) セクタ上に文字列が見つかると画面23が表示される。「はい」をクリックするとさらに検索を続ける。このとき見つかったセクタは後からはわからなくなるので、セクタ数をメモしておこう。「いいえ」をクリックすると検索を終了し、見つかったセクタを表示する。指定した文字列が見つからない場合は、画面24が表示される。
画面21 「Tools」メニューから「Search Sectors...」をクリックする
画面22 検索指定画面
画面23 セクタ上に文字列が見つかった場合
画面24 指定した文字列が見つからない場合
「View」メニューから「Partition table」をクリックすると (画面25)、パーティションテーブルの情報が表示される (画面26)。ただし、そのためにはあらかじめPhysical Driveを開き、MBRまたは拡張パーティションテーブルのセクタを画面に読み込み・表示していなければならない。つまり、この機能は画面に表示されているセクタデータをMBRまたは拡張パーティションテーブルのセクタと解釈し、そのパーティションテーブルデータを10進数のわかりやすい形で表示するものだ。パーティションテーブル自体は16進数かつリトルエンディアンで書かれているので、そのままではわかりにくい。
MBRまたは拡張パーティションテーブルが画面表示されていないときに、この機能を使っても、本来パーティションテーブルでないデータをパーティションテーブルと解釈して表示するので、まったく無意味な表示になるだけだ。
最初はパーティションテーブルの先頭に記述されているパーティションのデータが表示される。パーティションテーブルに複数のパーティションがある場合に、「Partition table index」で「Parttion 2」以降をダブルクリックすると、2番目以降のパーティションのデータが表示される。
ここで表示されているデータは書き換えることもできる。データを変更した後で、セクタに書き込むとその変更が有効になる。ただし、ここでの変更は取り返しのつかない結果になりかねないので慎重に行って欲しい。
「System ID」の欄には、Windows NT 4.0用のDisk Probeの場合、FAT32とDynamic Volumeが存在しない。Windows NTにはFAT32やダイナミックディスク機能がないので当然だ。Windows 2000/XP用にはどちらもある。
「Next Partition」ボタンをクリックすると現在表示しているパーティションの次 (パーティションテーブルの記載順で) のパーティションの先頭セクタにジャンプする。「View」メニューから「Bytes」に切り替えて確認すればわかる。次のパーティションが基本パーティションの場合は、その先頭セクタはPBSになるが、次のパーティションが拡張パーティションまたは論理パーティションの場合は、その先頭セクタはPBSではなく拡張パーティションテーブルであることに注意して欲しい。PBSにジャンプしたときは画面で表示されているパーティションテーブル情報は無意味なものになる。
なお、ジャンプした後で、元のセクタに戻ることはできないので、元のセクタに戻りたい場合は、ジャンプする前にセクタ位置をメモしておこう。
また「Relative Sector」には現在表示されているパーティションの先頭セクタ位置が表示されており、「Go」ボタンをクリックすると、そのセクタにジャンプする。現在MBRで表示されているパーティションが拡張パーティションの場合、および拡張パーティションテーブルで論理パーティションを表示しているときは拡張パーティションテーブルにジャンプする点に注意すること。
また現在拡張パーティション上のパーティションテーブルを表示している場合は、この値はHDD先頭からの絶対セクタ値ではなく、拡張パーティションテーブル先頭からの相対セクタ値であることに注意して欲しい。
またこのときの「Partition table index」に表示されるのは基本パーティションを含めたパーティション番号ではなく、拡張パーティションテーブルに記載された論理パーティションの番号なので、混同しないようにして欲しい。ここには4つのパーティションが表示されているが、実際には拡張パーティションテーブルには1つまたは2つのパーティションの記述しかないので、Partition 3/4を選択しても無意味だ。
おそらく、こう説明しても、理解は難しいのではないかと思う。実際にDisk Probeを操作して確認していただきたい。
画面25 「View」メニューから「Partition table」をクリックする
画面26 パーティションテーブルの情報が表示される
画面25で「NTFS BootSector」をクリックすると、NTFSフォーマットのPBSの情報が表示される (画面27)。ただし、そのためにはあらかじめNTFSフォーマットのPBSのセクタを画面に読み込み・表示していなければならない。つまり、この機能は画面に表示されているセクタデータをNTFSのPBSと解釈し、そのパーティションデータをわかりやすい形で表示するものだ。PBSでないセクタを表示しているときや、NTFSフォーマットでないPBSを表示しているときには無意味なデータとなる。
ここで表示されているデータは書き換えることもできる。データを変更した後で、セクタに書き込むとその変更が有効になる。ただし、ここでの変更は取り返しのつかない結果になりかねないので慎重に行って欲しい。
「Clusters to MFT」および「Clusters to MFTmirr」にはMFTおよびMFTミラー (バックアップ) のセクタ位置が表示されており、「Go」ボタンをクリックすると、そのセクタにジャンプする。
「Volume End」ボタンと「Volume Middle」ボタンは、パーティションの最後、および真ん中にジャンプする機能で、PBSのバックアップを見つけるときに有効だ。
画面27 NTFSフォーマットのPBSの情報が表示される
画面25で「FAT-16 BootSector」(Windows 2000/XPの場合)、または「FAT BootSector」(Windows NT 4.0の場合) をクリックすると、FAT 16フォーマットのPBSの情報が表示される (画面28)。ただし、そのためにはあらかじめFAT 16フォーマットのPBSのセクタを画面に読み込み・表示していなければならない。つまり、この機能は画面に表示されているセクタデータをFAT 16のPBSと解釈し、そのパーティションデータをわかりやすい形で表示するものだ。PBSでないセクタを表示しているときや、FAT 16フォーマットでないPBSを表示しているときには無意味なデータとなる。
ここで表示されているデータは書き換えることもできる。データを変更した後で、セクタに書き込むとその変更が有効になる。ただし、ここでの変更は取り返しのつかない結果になりかねないので慎重に行って欲しい。
「Volume End」ボタンをクリックするとパーティションの最終セクタにジャンプするが、ここには何もないのでほとんど使う必要のない機能だ。
なお、残念ながらFAT 32フォーマットのPBSについては解析する機能がないので、Disk ProbeではFAT 32のPBSには対応していない (Disk Probe 2は対応している)。
画面28 FAT 16フォーマットのPBSの情報が表示される
「Drives」メニューから「Volume Information」をクリックすると、現在アクティブなHDDのセクタサイズ、セクタ/トラックサイズ、トラック/シリンダサイズ、シリンダ数、総セクタ数といった情報が表示される。これはPhysical Driveを開いた場合でもLogical Volumeを開いた場合でも同じ情報だ。
この情報はMBRやPBSのパラメータが壊れたときに修復する手がかりになる重要な情報だ。
画面29 現在アクティブなHDDのセクタサイズなどの情報が表示される